2018年1月「暗闇に輝く光」

「この憐れみによって、高い所からあけぼのの光が我らを訪れ、暗闇と死の陰に座している者たちを照らし、我らの歩みを平和の道に導く。」
(ルカによる福音書1章78-79節)

牧師 黒田浩史

クリスマスは、救い主イエス様のご降誕のお祝いの日です。しかし12月25日は、史実としてのイエス様の誕生日ではありません。4世紀にキリスト教がローマ帝国に広がったとき、ローマの太陽のお祭りを、イエス様の誕生の記念日と定めたのです。12月25日は、この時代のローマでは冬至の日付でした。昼の時間が最も短くなる日です。この日を境にして、太陽は輝きを増していきますから、太陽を神のように崇めていた当時の人々は、太陽の光がもっと強くなってもらいたいという願いを込めてお祭りをしたのでしょう。キリスト教会は、イエス・キリストこそまことの太陽であると解釈し、元来は異教的なお祭りであったものを、キリスト教の中に取り入れたのです。

現代の暦では、2017年の冬至は12月22日だったそうです。これから春に向かって、昼の時間が少しずつ長くなっていきます。

しかし、気温はすぐには上がらず、1月から2月にかけて、気温は低くなっていきます。春の陽気が訪れるには、もう少し時間が掛かります。

すぐにではなく時間が掛かるという点は、神様の救いの御業に似ています。イエス様がお生まれになったのは、およそ二千年前ですが、ローマという外国に占領され、ヘロデ王という残忍な王様が支配していた暗い時代でした。イエス様が宣教活動を開始し、病気の人を癒したり、慰めの御言葉を語ったりされるには、あと30年くらい待たなくてはなりませんでした。

神様は現代の私たちに対しても、数々の恵みを注いで心に掛けてくださっていますが、その神様の御業が効果を発揮するのも、今すぐにではなく、やはり時間が掛かるのです。しかし、目に見えて物事が良くなったり、悩みが解決したりはしなくても、神様の恵みの御業は確実に行われます。冬至を過ぎて陽が長くなれば、やがて確実に春が訪れるのに似ています。

希望が見えないような、いわば冬至のような時代かもしれませんが、およそ二千年前にイエス様のご降誕によって始められた神様の救いの御業が、やがて必ず実現することを信じて、希望のうちに新しい年を迎えましょう。