2019年4月 罪と赦し

「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」  (ヨハネ福音書8章7節)

牧師 黒田浩史

一人の女性が姦通の現場で捕らえられ、律法学者たちやファリサイ派の人々がその女性をイエス様のもとに連れて来ました。彼らはイエス様に「先生、この女は姦通をしているときに捕まりました。こういう女は石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています。ところで、あなたはどうお考えになりますか」と言いました(8:4-5)。

イエス様は別の箇所で「あなたたちは肉に従って裁くが、わたしはだれをも裁かない」と仰せになっているように(8:15)、あくまでも人を赦す方です。もしイエス様がこの女性をも赦したならば、律法に背くことになるので、イエス様を訴える口実を得るために、彼らはこう言ったのでした。

そこで、イエス様は彼らに「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」と仰せになりました(8:7)。すると、これを聞いた者は、年長者から始まって、一人また一人と、立ち去ってしまい、イエス様ひとりと、その女性が残りました。

年長者から立ち去ったのは、年を取って賢くなったおかげで、自分も罪を犯したことがある人間なのに、この女性を裁いて石を投げることはできないことに気付いたからかもしれません。あるいは、年長者はこれまで長く生きて来たので、この女性より自分の方がより多くの罪を犯して来たことに気付いたからかもしれません。

イエス様は「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない」と仰せになりました(8:11)。「わたしは誰をも裁かない」と仰せになっているとおり、この女性の罪を赦してくださいました。

イエス様によって罪を赦されたこの女性は、イエス様を信じるようになり、人を赦すことのできる人になったことでしょう。

私たちもイエス様によって罪を赦されているのですから、誰をも裁かず、人を赦すことのできる者になりたいと思います。